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ざっくりとファミコン世代あたりを対象にしたスーパーメンズウェブマガジンの決定版をまったり目指す桜田であった。

『ハイキュー!!』を読んでアーティスト諸君はモチベーションを爆上げしてもらいたい

この記事は管理人桜田のお友達ライター和田末蔵くんによるものです。

 

ごきげんよう。当方は和田末蔵である。当ブログ『soyever』に突如として出没するので、エンカウントした輩は「はぐれメタル」に遭遇したと思って読了して欲しい。当方は逃げない。本稿ではスポ根漫画『ハイキュー!!』について語る。諸君のモチベーションUPに繋げて欲しいものである。本題を語る上でネタバレも含まれるのでご了承いただきたい

 

ハイキュー!!

 

『ハイキュー!! 』は週刊少年ジャンプ連載中の漫画。作者は古館春一氏。高校のバレーボールが物語の舞台である。バレーボールは漢字表記で排球(はいきゅう)となる。いわゆるスポ根と呼ばれるジャンルだ。現在25巻が絶賛発売中である。

 

 

ストーリー

 

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主人公は烏野(からすの)高校1年生、日向翔陽。身長160cm台と小柄ながら、高い身体能力でコートを飛び回る。そしてもう一人、同じく1年のライバル的存在である影山飛雄。彼のポジションはセッタースパイカーにボールを繋ぐトス上げ専門の選手だ。

 

影山は中学校のころ、無茶なトスを上げ、チームのスパイカーが打てないと「勝ちたいなら俺のトスについてこい!」と王様のように振る舞いコート上の王様」という異名をつけられ孤立。そんな日向と影山は中学最後の大会、対戦相手として出会った。だが日向の中学は人数だけを揃えた弱小チーム。日向は影山にあっさりと敗れる。しかし、どんな大差をつけられようとも勝利を見続ける日向の姿勢と類稀なる身体能力に影山は強い印象を植えつけられる。

 

高校へと進み、影山へのリベンジを誓う日向であったが、入学した烏野高校には影山も存在していた。かくして二人は再会しチームメイトとなる。無茶なトスにも高い身体能力で対応していく日向に影山は少しずつ心を開いていく。そしていつしか1年のデコボコ変人コンビと呼ばれ、並み居る強豪校と激戦を繰り広げていくのである。

 

リアリティが素晴らしい

 

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この『ハイキュー!!』という作品、スポ根好きにとっては感動の出来栄えとなっている。当方は元野球少年であり、幼少時代からスポ根作品には目がない。あまりにスポ根作品が好き過ぎるため、一度病院で診てもらったことがある。「即入院が必要、食前にはスラムダンク、食後には4P田中君を1冊は燃やすこと」と告げられた。入院中は来る日も来る日も燃やすふりをしてスポ根作品を読み耽っていた。

 

そんなスポーツ根性依存症候群の当方、最近の作品では『黒子のバスケ』『ダイヤのA』『弱虫ペダル』『ちはやふる』などで感動の涙で画面が見えなくなっている。どれも心揺さぶられる作品たちだ。しかし当方にとって、この『ハイキュー!!』という作品、スポ根ジャンルの中では頭ひとつ抜きん出ている。

 

その要因はリアリティにある。

 

当然、過剰表現はあるのだが、他のスポ根作品と比べるととても非現実割合が少ない。本来、スポ根作品なんていうものは過剰表現による非現実的な世界観を楽しむものが一般的である。

 

テニスコートのフェンスに選手がめり込んだり

 

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自陣のゴール下から超高弾道の3ポイントシュートを決めたり

 

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急速270kmを記録したり

 

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 そういった超常現象、ネタ的な要素はない。

 

 

また、敵味方関係なくキャラクターの設定が秀逸

 

なかでも心理描写が素晴らしい。

  

リアリティとキャラクターの設定、心理描写のみでグイグイ引き込まれる。

 

モチベーション爆上げシーン 

 

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『ハイキュー!!』の中にとても印象深いシーンが存在する。音楽CDや動画を制作販売したり、バンド活動をしている当方にとっては内容が刺さり過ぎて、いたく感動した。スポーツをしている人だけでなくものづくりをしている人、してみたい人の葛藤や不安感を吹き飛ばしてくれる内容だ。

 

原動力の源の解答

 

これが示されているのである。

 

主人公と同じ1年生に月島蛍というキャラクターがいる。彼は190cmに近い高身長で、頭脳明晰、バレーの才能にも恵まれている。しかし、どこか冷めていて、自主練などはせず時間が来れば帰ってしまう。「一生懸命頑張ったところで所詮部活じゃないですか」が彼の口癖だ。

 

印象深いシーンは、夏の東京合同強化合宿でのこと。烏野高校は宮城県にあるのだが、関東の強豪校に混じって夏合宿が行われた。各校1セットずつ試合形式で回していき、負ければ坂道ダッシュなどのペナルティ。そこで烏野高校は負けまくる。そんなに負けまくる必要ないんじゃないか?ってくらい負けまくる。(たしかトータルで70敗とか・・・。)

 

それが終われば夜遅くまで各校混じっての自主練。強豪校達と交流しつつ滅多にないチャンスとばかりにお互いを高め合う。しかし、そんなストイックな場でも月島はさっさと切り上げてしまう。みんな必死に練習しているので一人だけ浮いてしまう月島それは烏野高校のチームメイトはもちろん、強豪校のエース達も気づいていた。

 

そして幼馴染の山口が居ても立ってもいられなくなり、練習を切り上げた月島を追いかける。外の渡り廊下で追いつき、月島の肩を掴む。そして怪訝そうな顔で振り返る月島。そして以下のやりとりがなされた。

 

山口:ツッキー! 

月島:・・・なに?

山口:ツッキーは昔からなんでもスマートにカッコよくこなして俺、いつも羨ましかったよ

月島:だから?

山口:最近のツッキーはかっこわるいよ!身長も頭脳もセンスも持ってるのに、どうしてこっから先は無理って線引いちゃうんだよ?

月島:例えば烏野で一番の選手になったとしてそのあとは?万が一にも全国に行くことが出来たとしてその先は?果てしなく上には上がいる。例えそこそこの結果を残したとしても絶対に一番になんかなれない!何処かで負ける!それをわかっているのに皆どんな原動力で動いているんだ!

山口:そんなもん・・・、プライド以外になにがいるんだっ!!

 

 

生産性がアヤシイ、無意味に思えるもの、先に続いているのか上に伸びているのかわからない不確かなものに対して人間が全力になれる原動力の源を再確認することとなりました。

 

「プライド」

 

 

それでも納得できない月島は梟谷学園の主将でエース、木兎光太郎に問う。彼は全国で5本の指に入る屈指のスパイカー。常にハイテンションで敵味方関係なく士気を高めてしまうような選手である。彼も大きな壁にぶち当たったことがある過去があり、それを乗り越えた経験がある芯の強い男だ。

  

月島:僕は純粋に疑問なんですが、どうしてそんな必死にやるんですか?バレーはたかが部活で、将来履歴書に『学生時代部活を頑張りました』って書けるくらいの価値じゃないんですか?

木兎月島くんさ、バレーボール楽しい?

月島:いや・・・得には 

木兎それってヘタクソだからじゃない?

月島:・・・!!

木兎:俺は全国も行ってるしおまえより断然うまい。でもバレーが楽しいと思うようになったのは最近だ

月島:っ・・・

木兎:昔対戦した相手にスパイクを対策され全然決まらなかったことがあってめちゃくちゃ練習した。そして次の対戦のとき同じ相手に指一本触らせずに打ち抜いたんだ。その1本で俺の時代キタ!くらいの気分だったね!はっはっは!

月島:うっ・・・

木兎:その瞬間があるかないかだ。将来がどうとか次の試合で勝てるかどうかとか、ひとまずどうでもいい。目の前の奴ぶっ潰すことと、自分の力が120%発揮できたときの快感がすべて。でも、おまえの言う『たかが部活』ってのも間違ってないと思う。ただ、もしもその瞬間がきたなら、それがおまえがバレーにハマる瞬間だ!

 

その瞬間があるかないか 

 

マントラだ。まさに真言である。将来がどうとか次の試合で勝てるかどうかは関係ないのである。

  

烏野高校のキャプテンもこう言っている。

 

俺たちは発展途上もいいとこだし、限界なんてわかんないだろ?もしそれを感じることがあったって上を目指さずにはいられない。理屈も理由もわかんないけどさっ!

 

 上を目指すことに理屈は不要

 

 

日向君のありがたいお言葉も頂戴しておこう。

 

バレーが上手いのと下手なの、どっちがカッコいいかなんて決まってんじゃん!

 

そう、上を目指すか現状維持か下を見るか。何が一番カッコイイかは決まっているのである。

 

考察してみる

 

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プライドをもって今この瞬間だけに向き合い、上を目指すこと。

 

これはバレーだけに言えることではない。スポーツ全般、ひいては創作活動にも言えることだ。大風呂敷を広げれば人生全般に言えることだ。当方の創作経験から言えば「最高の1曲に出会ったとき」「最強と自賛できる1曲を作ったとき」それがどうしょうもなく音楽にハマる瞬間だと言えるだろう。

 

音楽センスだとか努力する才能だとかは全く必要ない。そのものを好きになる才能が前提条件であり、すべてなのだ。前述したプライド、瞬間との向き合い、上を目指すことを満たすものは。

 

『ハイキュー!!』の夏の東京合同強化合宿の月島シーンはただの青春漫画の一枠と切り取ることが出来ず、当方の心に浸透した。学校の教科書に盛り込んだ方が良い。

 

さいごに

 

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「何をやっても続かない」という輩や「何を作っても納得できない」という輩、ひいては「生産性ないものって無駄な努力になるじゃん」という輩はその才能に出会えていないだけ。待っているだけではなく、出会おうとする行動力もときには必要だろう。好きなもの、譲れないものを発見してこそ本当に素晴らしい人生というものが歩めるのではないだろうか?

 

なんかもう飽きたなぁ・・・

 

なんて思うのであればさっさとやめてしまえばいい。無理に続ける必要なんてどこにもない。それでいい。もしも、またどうしようもなくやりたくなる時がきたら、その時こそ己の才能を見出す時なのかもしれない。 

 

スポ根作品にはアーティスト活動に必要な大切なものがたくさん詰まっているように思えてならない。アーティスト活動に没頭するアーティストの諸君あるいは見習いの諸君、これから始めようと意気込んでいる諸君、迷いや壁に行き詰ったなのなら、少し休みながらスポ根作品で熱くなろうじゃないか。

 

関連情報

 

公式サイト

www.j-haikyu.com

 

VOMIC(試し読み)

www.youtube.com

 

販売されているまでの全巻セット

 

スポ根精神で生きていくぜ!

 

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