バッドエンディング映画6選！ハッピーエンドに飽きたならバッドエンドを味わおう！
どうも。幸せの青い鳥こと桜田陣平です。今日は幸せの青い鳥の名にかけて、至高のバッドエンディング映画を６本ご紹介したいと思います。
このエントリはバッドエンディング映画を紹介しています。鑑賞に影響の及ぶネタバレは極力避けています。ただし、作品概要やあらすじは掲載しておりますのでご了承ください。
バッドエンディング映画とは
不条理や不道徳、負の連鎖など。救いのないストーリーに絶望させられる映画のこと。鑑賞後には悲しみや脱力感に打ちひしがれる展開が待っています。物語の平和的解決、登場人物の幸福、それらを願う気持ちを完膚なきまでにオーバーキルしてくることでしょう。しかし作品を通じて"希望のイメージ"に触れるきっかけを与えてくれたり、世の中に溢れている不条理とどう向き合っていくかを考える機会になったりするので、カタルシスを放棄する価値は十分にあります。
リリイ・シュシュのすべて
最初に紹介する映画は岩井俊二監督作品『リリイ・シュシュのすべて』。本作は過去と現在といった時間軸、現実とインターネットといった空間軸の中で展開していく。中学生の罪悪、心の闇が物語の中心点。光やわらかな映像美が救いのなさに拍車をかける。
ストーリー
中学生の蓮見雄一は同級生の星野修介から過酷ないじめを受けている。雄一の現実は暴力や不道徳に囲まれて逃げ場もなく、唯一の光はアーティスト、リリイシュシュの存在。雄一は「リリフィリア」というファンサイトを主宰し、他のファンと交流を深めていく。リリイシュシュに心酔することこそ雄一のリアルだった。
ひとこと
痛みと痛みが織りなす痛みのストーリーが14歳達のリアルとして描かれる本作。鑑賞者は作品中に問題提起と向き合うわけではなく、淡々と事象を消化していくことになると思います。鑑賞者の年齢や性別によって作品の絶望度合いは異なるでしょうが、幸福とは程遠い世界に虚無感を覚えるという点は共通でしょう。
【中古】 リリイ・シュシュのすべて 通常版 ／市原隼人 【中古】afb
- ジャンル: CD・DVD・楽器 > DVD > 邦画 > その他
- ショップ: ブックオフオンライン楽天市場店
- 価格: 1,298円
ダンサー・イン・ザ・ダーク
続いての悲劇はラース・フォン・トリアー監督作品『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。アイスランドの天才歌手ビョークが主演を努める。不遇を全身に受けながらも、息子という唯一無二の希望に全愛情を注ぐ母親の物語。ミュージカル要素をカットインする斬新な手法は、公開時に大きな話題となった。
ストーリー
チェコからアメリカへの移民セルマは工場勤めをしながら息子ジーンと暮らしていた。生活は苦しくとも周囲の親切心を感じながら、明るく懸命に働くセルマ。そんな彼女は遺伝性の病によって、徐々に視力を失い、失明する運命を背負っていた。セルマは息子ジーンが同じ道を歩まぬように、ジーンの視力を守るために貧しさの中でも手術費用を蓄えていた。
ひとこと
映画史に残る究極のバッドエンディングだと思います。本作のバッドエンディングを受け入れるには、鑑賞者が主人公セルマ本人になる以外に術はありません。悲劇的な展開に怒り、不条理に脱力し、鑑賞後は精神疲労に襲われます。キャラメルポップコーンは不要です。食欲も沸きません。
ミスト
次に紹介する作品はヒューマンドラマ要素よりもホラーサスペンス色の強いSFパニック領域。素直な優等生も捻くれ気質の不良も黙らせる名作中の名作『ショーシャンクの空に』のスティーヴン・キング原作×フランク・ダラボン監督の最強タッグ。『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』が160kmのストレートならば、本作『ミスト』のラスト15分はグランドにめり込むフォークボールといったところ。
ストーリー
湖のほとりで暮らすデヴィットはハリウッド映画のポスターを手掛けるような大物画家。ある日、激しい嵐に襲われて自宅が損壊。翌朝、被害状況を確認していたところ、湖の向こう岸から霧が迫ってきているのを目撃する。デヴィットは息子のビリーと隣人のノーランを同乗させて、スーパーマーケットに買い出しに向かう。スーパーで買い物をしていると、鼻血を流したダン・ミラーが店内に逃げ込んでくる。そして「霧の中に"何か"がいる！」と叫んだ。
ひとこと
大どんでん返しのストーリーを好む映画ファンの人よ、本作の鑑賞後も大どんでん返しを好きで居続けられるだろうか。本作未鑑賞であれば、是非衝撃のラストを体感して欲しい。
『ミスト』はU-NEXTで配信中！ 
ミリオンダラー・ベイビー
巨匠クリント・イーストウッド監督が主演も努める『ミリオンダラー・ベイビー』。ひたむきな女性ボクサーと敏腕トレーナーによるヒューマンドラマ。サクセスストーリーの様相で展開するものの、衝撃的なバッドエンドを迎える本作。障害者団体や宗教団体から厳しい抗議を受けることとなった問題作。公開直後にアメリカでは大論争に発展した模様。
ストーリー
ロサンゼルスの郊外で小さなボクシングジムを営むフランキー。彼は敏腕トレーナーであるものの、選手の身の安全を考慮し過ぎる欠点があった。それが災いし、タイトルマッチにも挑めるほどの若手選手にブレーキをかけてしまい、ジムを去られてしまう。
そんな金のたまごを失ったジムには黙々と練習し、フランキーに指導を懇願する31歳の女性マギーがいた。ボクシングで人生を切り開きたいマギーと女性ボクサーお断りのフランキーはやがて手を組むことに。マギーにはフランキーの信条を揺らがせるほどの情熱があったのだ。
ひとこと
結末をバッドエンディングとするかしないかは鑑賞者の思想や経験によって大きく異なるでしょう。作品を通じて自分の生き方や命の重さに向き合うきっかけをくれる映画。当然、鑑賞後の考察は止まらないこと必至です。これはただのスポ根ヒューマン映画ではなく、人生やプライド、純愛について壮大な問題提起がなされています。
ミスティック・リバー
続いての作品もクリント・イーストウッド監督作品。全世界のバッドエンディング好きの心を掴んで離さない名作です。日本版ポスターのキャッチは「もうひとつのスタンド・バイ・ミーを見るために、あなたは大人になった」。とある3人組幼馴染たちの25年後を描く、超本格サスペンス・ミステリー。
ストーリー
舞台はボストンの小さな街、イーストバッキンガム。遊び仲間のジミーとショーン、デイヴの3人は歩道のセメントが乾く前に自分たちの名前を刻むという悪事をはたらいていた。通りすがりの男2人組に「この悪事を母親に報告する」と告げられ、デイブは連れ去られた。しかし、それは誘拐の口実。デイブは4日間監禁され、性的暴力の対象となってしまう。
そんな悲劇から25年が経過し、街では再び悲劇の事件が起きた。ジミーの愛娘が殺害されたのだ。刑事となっていたショーン、事件当日に娘を目撃していたデイヴ。時を経て3人の人生が再び交錯していく。
ひとこと
究極に不条理、後味の悪さは一級品です。ミステリー映画としての完成度が高く、本編中はいわゆる「犯人探し」の視点で鑑賞することになると思います。11歳という少年期を共に過ごし、36歳で再会する幼馴染たち。少年期のトラウマ、ボタンのかけ違いが時を経てどのような形に収まるのか、厳し過ぎる現実を是非ご覧ください。
セブン
最後に紹介したいのがデヴィット・フィンチャー監督の『セブン』。キリスト教の「7つの大罪」を犯している人々に罰を与える猟奇殺人鬼、その事件を追う刑事の物語。1995年公開でありながら、シリアスな映像表現と音楽をはじめ、アートワークが素晴らしい作品。2017年に鑑賞しても違和感はまったくなく、むしろその先進性に驚かされる映画。映画ジャンルはサイコ・サスペンスだが、鑑賞者の倫理観に問い掛けるメッセージ性も魅力のひとつ。
ストーリー
定年まで1週間となった刑事サマセット、手柄を追い求める若き刑事ミルズ。彼らはパスタの中に顔を埋めながら死んでいる男の現場で出会う。現場冷蔵庫の裏には「暴食」の文字と連続殺人を示唆するメモ。その後次々と事件は起こり「強欲」「怠惰」「肉欲」「高慢」と7つの大罪と紐つけられて罰が下されていく。
ひとこと
バッドエンディングでありながら、そのバッドエンディングこそ物語を完成させる最大要素になる映画です。後味は悪いものの、ジグソーパズルを完成させるかのような充足感にも出会えるでしょう。間違いなく映画史に残る1本であり、その後発表されたサスペンス映画にストーリー性と映像技術の両面で強い影響を与えた作品です。
さいごに
今回はバッドエンディングと出会える作品をヒューマンドラマ、パニック、サスペンスといったカテゴリから選んでみました。日頃のストレスをスカッと吹き飛ばしたい！家族で大笑いしたい！など、気分上々の時は絶対に鑑賞を控えましょう。
※文中でhuluとU-NEXTのリンクを貼り付けていますが、2017/6/29現在の情報です。配信スケジュールによって未配信になっている可能性もありますので、都度ご確認ください。
絶望もまた美味なりと心得よ！
